正直に言います。
最初に社長がそう言ったとき、私も「まぁ、そこそこ整ってるな」と思ってました。
「うちは大丈夫ですよ、ちゃんと就業規則もあるし、雇用契約書も出してますから。」
実際、書類だけ見れば…ちゃんとしてる。
でも、労基署の視点は、そこじゃなかったんです。
書類が整っていても、アウトになる会社がある。
これは、よくある誤解です。
「就業規則がある」「雇用契約書を交わしている」「勤怠も管理している」
——そう言われると、もう完璧な気がしてくる。
でも労基署が見ているのは、「書類」じゃなくて「実態」。
もっと言えば、“ズレ”です。
書類と現場のズレ。
制度と運用のズレ。
「表向き」と「実際」のズレ。
つまり、キレイなパッケージの中に、
賞味期限切れのおにぎりが入ってる、みたいな状態です。
書類は立派。でも、中身はできていない。
これじゃ、ダメなんです。
労基署が「興味を持つ会社」に共通していること
もしあなたの会社が、こんな状態なら…要注意です👇
- 残業が当たり前。でも、申請制になっている
- 就業規則があるけど、現場に共有されていない
- 雇用契約書のフォーマットがバラバラ
- 有給の申請は「口頭OK」が暗黙のルール
- 労働時間は自己申告制(Excelや紙)
- 就業規則や36協定が実際に社員に周知されていない
これ、全部、実際に労基署が「おや?」と思うポイントです。
紙の上では整っているけど、現場の運用がついてきていない。
そのギャップに、労基署はめちゃくちゃ敏感です。
社長が青ざめた日
ある日、労基署から電話が来ました。
「〇月〇日、調査に伺いますので、関係書類をご準備ください。」
そのときも社長は、落ち着いた声で
「うちは大丈夫ですよ」と笑ってました。
でも10日後、調査が終わった直後の社長の顔…
明らかに、青ざめていました。
一番のポイントは、**“タイムカードはあるけど、申請しないと残業にならない”**ってルール。
これが完全にアウト。
社員の証言、ログの不一致、記録の曖昧さ。 書類は整ってたけど、現場とのズレが決定打でした。
「制度」と「現場」は、どっちも大事。
「書類を整えればOK」は幻想です。
就業規則も、雇用契約も、勤怠ルールも…
それが現場で “自然に守られている” 状態じゃないと、
法律的には整っているとは言えません。
逆に言えば、実態と一致していれば、完璧じゃなくてもOK。
労基署が見ているのは、「誠実さ」と「実態の一致」です。
最後に。
何かあってからじゃ、遅いんです。
**「うちは大丈夫」**という言葉ほど、危ういものはない。
「うちも一度、見直しておくか。」
そう思ったときが、動くタイミングです。
青ざめる前に、見直しましょう。
未来の自分に感謝されるために。
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