正直に言いますけど・・・
ミスが一度もない会社なんて存在しません。
でも、もっと厄介なのは、ミスを怖がって“隠す”会社です。
そうなると、職場は一気に重苦しくなり、雰囲気もギスギスしてしまう。
だから私は、社労士として相談を受けるといつもこう伝えます。
**「大切なのは“どう責めるか”じゃなく、“どう向き合うか”です」**と。
◆「いいミス」「悪いミス」
いろんな企業を見てきましたが、ミスには2種類あります。
✅ いいミス – はじめての挑戦や不慣れな作業で起きた失敗。本人が反省し、次の改善につながるもの。
✅ 悪いミス – ルールを守らなかったり、注意されたのに同じことを繰り返すタイプ。学びがなく、危険なまま残るもの。
問題なのは、これを管理者が一緒にして怒ってしまうことです。
全部「悪いミス」として怒鳴ったら、どうなるか?
…そう、社員は**“隠す”**んです。
報告しなければ怒られない、そう思ってしまいます。
◆ 叱り方を間違えると、ハラスメントになります
私は、パワハラ相談もたくさん見てきました。
共通しているのは――**上司は「指導したつもり」**ということです。
でも、こう言ってしまう。
- 「お前は使えない」
- 「なんでこんな簡単なこともできないんだ」
これ、全部NG。
叱るべきは“行動”であって、“人格”じゃない。
例えば、こう変えるだけで全然違うんです。
- ❌「お前は遅い」
- ✅「この報告書が遅れると、取引先への対応が後ろ倒しになるよね。どうしたら改善できるかな?」
人格攻撃じゃなく、行動と事実を指摘する。
それだけで「責められた」から「学べた」に変わるんです。
◆必ず伝える、ミス指摘7カ条
- 人前で叱らない – その瞬間、本人は「見せしめ」にされたと感じます。
- できるだけ早く伝える – 1週間後の指摘は「なぜ今?」としか思えない。
- 冷静な声で話す – 大声で怒鳴るのは“指導”じゃなく“威圧”。
- 一緒に原因を探る – 「なんで?」を問い詰めるんじゃなく、**「一緒に考えよう」**と伝える。
- 上司も責任を持つ – 「説明不足だったかもしれない」と一言添える勇気。
- 叱りっぱなしで終わらない – 翌日に声をかけてフォロー。「昨日の件、考えてくれた?」と。
- 改善が見えたら褒める – 「よく工夫したね」と言うだけで、社員は次も挑戦できる。
この7つを守るだけで、指導とパワハラの境界線がしっかり引かれます。
◆ ミスを隠させない職場にするために
叱り方ひとつで、部下の心はこう動くとしたら・・・
- 怒鳴られた → 「もう二度と報告しない」
- 一緒に考えてくれた → 「次も相談してみよう」
違いは大きくないでしょうか。
さらに仕組みとして、
- 「業務ミス管理表」を導入(反省文じゃなく、改善用の記録にする)
- 「ヒヤリハット共有会」を開催(ミスになりかけた出来事もみんなで共有)
- 小さな改善も褒める文化を作る
これをやると、社員は**“ミスを言いやすい職場”**だと感じます。
◆ 最後に:ミスを“怒りの火種”じゃなく“学びの種”に
会社にミスはつきものです。
でも、その後の対応次第で職場は変わります。
責任を押しつけて終わるか――
学びの材料としてチームで成長するか――
私は、こう思います。
ミスをきっかけに会社は強くなる。
でもそれは、“怒鳴る”会社じゃなく、“対話する”会社だけに訪れる未来です。
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