試用期間だから自由に解雇できる?そんな話はありません!

こんにちは!今日はちょっと重たいけど、大切な話をします。

「試用期間中だから、合わなかったらサクッと辞めてもらえるでしょ?」

本当によく聞くんです。でも、これって実はとんでもない落とし穴があるんです…

試用期間の真実:「お試し」じゃないんです。

試用期間って聞くと、なんとなく「お試し雇用」みたいなイメージありませんか? でも法的にはちゃんとした労働契約なんです。

自転車を想像してみてください。 試用期間というのは、自転車の補助輪みたいなもの。 補助輪があったって、ちゃんと自転車に乗ってるのと同じなんです。

つまり、試用期間中でも労働者の地位はしっかり保護されてるんです

「だったら試用期間の意味ないじゃん!」

そう思いました? でも安心してください。ちゃんと意味はあります。

解雇できる場合とできない場合、その境界線

解雇が認められるケース

私たち、これまで数々の事例を見てきましたが、裁判で「OK」とされた解雇には共通点があります:

1. 能力不足・適性欠如が著しい場合 :例えば、技術職として採用したのに、何度指導しても危険行為を繰り返す。

2. 経歴詐称・背信行為 :必要な資格を偽ったり、重大な経歴詐称があった場合。 これは信頼関係の根本を覆しちゃいますよね。

でも注意!こんな解雇は無効です

一方で、**「これで負けちゃうの?」**という事例もあります。

見習期間6ヶ月〜1年3ヶ月+試用期間6ヶ月から12ヶ月を設けて、さすがにこれは「長すぎる」って無効になりました。

他にも:

  • 十分な指導をしないで「期待外れ」で解雇
  • 主観的な評価だけで「なんか合わない」で解雇
  • 他の社員より不当に厳しい基準で評価

こういうのは全部アウトです。

14日ルールの罠:予告不要≠自由に解雇

「入社14日以内なら予告なしで解雇できるんでしょ?」

これもよくある勘違い! 確かに労基法21条で14日以内は解雇予告不要ですが…

予告が不要なだけで、理由は必要なんです。

つまり14日以内でも、「なんとなく気に入らない」では解雇無効になっちゃいます。 むしろ入社直後の解雇って、裁判官の心証も悪くなりがち。

「この会社、人を人として見てないんじゃ?」って思われちゃうかもしれません(´Д`)

経営者が絶対やってはいけない3つのNG行動

NG行動①:いきなり解雇通告

「今日で辞めてもらいます」

これ、一番危険です! どんなに問題があっても、段階的な指導は必須。

口頭注意→書面注意→改善機会の提供→それでもダメなら解雇

このプロセスを踏まないと、「会社は何もしてくれなかった」って争われます。

NG行動②:記録を残さない

「あの人、態度悪いよね」

口約束や主観的な印象だけでは勝てません。 指導記録、評価シート、面談メモ… 記録魔になってください!

私たちの経験上、記録がしっかりしてる会社は労務トラブルも少ないです。

NG行動③:感情的な対応

「もうウンザリ!明日から来なくていい!」

気持ちはわかります…でも、これは絶対ダメなんです。 感情的になった時こそ、一呼吸置いて冷静に。

実は試用期間って「お互いのための期間」なんです

ここまで解雇の話をしてきましたが…

本当は試用期間って、解雇のための期間じゃないんです。 お互いがマッチするかを見極める、大切な時間。

会社側は:

  • この人にどんな仕事が向いてるかな?
  • どんな指導が効果的かな?
  • 配置転換で活躍できるかな?

従業員側は:

  • この会社で頑張れるかな?
  • 職場の雰囲気はどうかな?
  • 成長できる環境かな?

そう考えると、試用期間をもっと建設的に活用できそうじゃありませんか?

最後に:解雇は最後の手段です

私たち、これまでたくさんの経営者さんを見てきました。 成功している会社って、人を大切にしている会社なんです。

試用期間中に問題が起きたら:

  1. まず原因を探る(指導不足?配置ミス?本人の問題?)
  2. 改善策を一緒に考える
  3. 十分な機会を与える
  4. それでもダメなら…適正な手続きで

この順番、絶対に忘れないでください。

もし今、試用期間中の従業員さんで困っていることがあったら… 一人で悩まずに、お気軽にご相談ください(^^)

解雇ありきじゃなく、適材適所の見極め期間として試用期間を活用する

これが、会社にとっても従業員にとっても、一番幸せな結果につながると思います。


何かご質問やご相談があれば、いつでもお声がけください! あなたの会社の発展を心から応援しています

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