多くの企業が見落としがちな「雇入時の健康診断」。これは単なる法的な義務を果たすだけでなく、従業員の健康を守り、職場の安全性と生産性を確保するための大切なステップです。本記事では、雇入時の健康診断の重要性や、実施することで得られるメリット、実際の導入方法について詳しく解説します!
雇入時の健康診断が義務付けられる理由とは?
労働安全衛生法に基づき、企業は新入社員や中途採用者に対して「雇入時の健康診断」を実施する義務があります。この義務を怠ると、企業には最大50万円の罰金が科せられる可能性があるだけでなく、従業員の健康リスクを把握できずに適切な配置ができないことも・・・また、採用後に健康上の問題が発覚した場合、職場全体の安全性に影響を及ぼすリスクもあります。
健康診断がもたらす企業のメリット4選
雇入時の健康診断には、法的リスクを回避する以上のメリットが数多くあります。ここでは、企業が得られる主な利点を4つご紹介します。
1.法的リスクの回避
企業としてのコンプライアンスを遵守するため、雇入時の健康診断の実施は欠かせません。これにより、法的なリスクを回避し、安心して業務に集中できる環境を整えられます。
2.職場の安全性確保
健康診断によって、潜在的な健康リスクを早期に発見することができます。これにより、事故や体調不良による生産性の低下を防ぎ、従業員が安心して働ける職場環境を提供します。従業員の健康への配慮は、モチベーション向上にも繋がります。
3.企業の信頼性の向上
健康診断を実施する企業は、従業員や求職者から「従業員の健康を重要視している」と認識されます。これは、優秀な人材の確保や定着にもつながり、顧客やビジネスパートナーからの信頼も高まります。
4.長期的なコスト削減
健康診断による早期の健康問題発見により、長期的な医療費や欠勤によるコストが削減されます。従業員と企業の双方にとって、健康管理は大切な資産であり、将来のリスク回避にもつながります。
健康診断の実施プロセスと必須項目リスト
今すぐ健康診断の体制を整えるために、以下のプロセスを検討してみてください。
•ステップ1: 健康診断の対象者を明確にする
健康診断は、正社員だけでなく、中途採用者や契約社員、パートタイム労働者など常時雇用される従業員も対象です。特に、入社前3ヶ月以内にステップ2の検査項目を実施した証明がある場合は省略可能ですが、対象者の漏れがないように把握しておくことが重要です。
※パート労働者の場合:週の労働時間が正社員の4分の3以上である場合は、健康診断の対象となります。
•ステップ2: 必須の検査項目を確認する
法律で定められている下記の診断項目を実施しましょう。指定医療機関との連携を通じて、必要に応じて検査項目を充実させることも検討しましょう。
1 既往歴及び業務歴の調査
2 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
4 胸部エックス線検査
5 血圧の測定
6 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
7 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)
8 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロー ル、血清トリグリセライド) 9 血糖検査
10 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
11 心電図検査
•ステップ3: 健康診断のスケジュールを組む
採用内定から入社日までに健康診断を受けるのが一般的ですが、入社までの期間が短い場合は、雇入後1ヶ月を目安に実施しても問題ありません。
•ステップ4: コンプライアンス体制の強化
労働安全衛生法の遵守を社内で徹底し、関係者が健康診断の重要性を理解できるよう教育を行いましょう。
•ステップ5: 定期的な見直し
定期的に健康診断の体制を見直し、新たな法規制や医療情報に応じたアップデートを行うことが大切です。
まとめ
雇入時の健康診断は、会社が法律を守り、みんなが安心して働けるためにとても大切なものです。これから働く方は、会社がしっかり健康診断を実施しているかも見ているかもしれません。もし、さらに具体的に知りたい場合は、私達にご相談くださいせ!
コメント