「ウチみたいな小さな会社は関係ないでしょ?」
そう思っている社長、多いと思います。
でも、実際には “社長の何気ない一言” が原因で、労務トラブルに発展するケースは少なくありません。しかも、その結果、訴訟・損害賠償・信用失墜… 会社の存続すら危うくなることも。
今回は 「これだけは絶対に避けたい!」 という実際に起こった労務トラブル事例を紹介しながら、社長として 「どうすれば防げるのか?」 を解説します。
事例1:「そんな働き方なら辞めてもいいよ」の一言で訴訟!
何が起こったのか?
ある中小企業で、営業社員が社長に「家庭の事情で、残業を減らしたい」と相談しました。
それに対して社長は、「そんな働き方なら辞めてもいいよ」 と軽く返答。
社長としては「それくらいの覚悟を持って働いてほしい」という気持ちだったかもしれません。しかし、社員はこれを「退職強要」と受け取り、すぐに労働基準監督署に駆け込みました。
結果… 「不当解雇」とみなされ、裁判で会社側が敗訴。数百万円の損害賠償を支払うハメに。
どうすれば防げた?
社長がすべきだったのは、 「感情的にならず、冷静に対応すること」。
「辞めてもいい」ではなく、「業務調整の可能性を話し合う」 のが正解でした。
✅ NGワード:「辞めてもいい」「ウチには合わないかもな」
✅ OKワード:「どういう形なら両立できるか、一緒に考えよう」
事例2:「冗談のつもりだった」がパワハラ認定!
何が起こったのか?
製造業の現場で、ベテラン社長が若手社員に対して言った一言。
「そんな簡単な仕事もできないのか?使えないな〜(笑)」
その場では社員も笑っていましたが、実は内心では傷ついていました。しかも、この発言が何度も続いたことで、精神的に追い詰められ、 うつ病を発症→休職→労災申請 という流れに。
結果… 「パワハラ」と認定され、会社は慰謝料+損害賠償を支払うことに。
どうすれば防げた?
✅ 冗談でも「人格否定」につながる言葉は絶対NG!
✅ 「ダメ出し」は、具体的な指摘+フォローをセットで伝える
✅ 普段から「部下が相談しやすい環境」を作る
例えば、NG発言の代わりに…
「この作業はコツがあるから、コツを教えるよ」 という形ならOK。
事例3:「みんなやってるから」が通用しない!サービス残業トラブル
▶️ 何が起こったのか?
中小企業では、 「サービス残業」 が当たり前になっているケースもあります。
ある会社では、忙しい時期に「残業代なし」で長時間働くのが暗黙のルールになっていました。
しかし、新しく入った若手社員が 「これはおかしい」と証拠を記録。
・PCのログイン時間
・メールのやり取り
・タイムカードと実労働時間のズレ
これらを証拠として労働基準監督署に持ち込み、結果…
💥 未払い残業代+遅延損害金を支払い!
💥 ブラック企業認定され、求人募集を出しても応募ゼロ!
どうすれば防げた?
✅ 「うちの会社は大丈夫」と思わず、残業代は正しく支払う
✅ 勤怠管理システムを導入し、労働時間を適正に管理
✅ 「残業前提の働き方」ではなく、業務効率化を進める
まとめ:社長が今日から気をつけるべきポイント3つ
どの事例も、社長に悪気はなかったはず。
それでも 「言葉の使い方」や「労務管理の甘さ」 がトラブルを引き起こしました。
🔴 ①「社員に対する言葉」は慎重に選ぶ!
→ 冗談でも人格否定や退職を促す発言はNG!
🔴 ② 労働時間・残業管理を見直す!
→ 「みんなやってるからOK」は通用しない。証拠を取られたら終わり。
🔴 ③ 「労務の専門家」に相談する習慣を!
→ 弁護士・社労士に相談し、トラブルを未然に防ぐ。
「まさかウチが…」と思っていたら遅い。
中小企業だからこそ、リスク管理をしっかりして 会社と社員の両方を守れる社長 になりましょう!
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